- てい
- I
てい(副)硬い物が当たって出る音を表す語。II
「栗原を通れば~と落つる栗あり/田植草紙」
てい(連語)〔終助詞の「て」と「い」とが重なったもの。 近世上方語〕文末に付いて, 軽く言い張る気持ちを表す。 てや。III「はて何んにも無い~/浄瑠璃・道成寺現在蛇鱗」
てい【丁】(1)十干の第四。 ひのと。(2)等級・順位の第四位。(3)官に徴発して使役する役夫。 よほろ。(4)律令制で, 課役(調・庸・雑徭(ゾウヨウ))を負担する成年男子。 ちょう。IVてい【亭】※一※ (名)(1)あずまや。 ちん。(2)屋敷。 住居。「御使に西八条の~に向かふ/平家 3」
(3)家のあるじ。 亭主。「主の~, 呼びて風呂へ入れ参らす/仮名草子・仁勢物語」
※二※ (接尾)(1)料亭・寄席などの屋号に添える語。「末広~」
(2)雅人の居室・あずまや・楼などの号に添える語。「観月~」
(3)芸人・文人などの号に添える語。V「古今~」「式~三馬」
てい【体・態】(1)外から見た有り様。 様子。「風になびく~に描く」
(2)みせかけの様子。 体裁。「~の良い逃げ口上」
(3)名詞などの下に付いて接尾語的に用いられ, …のようなもの, …ふぜいなどの意を表す。VI「職人~の男」「凡人の家にとらば公文所(クモンジヨ)~のところ也/平家 4」
てい【底】(1)〔中国語の名詞・動詞・形容詞に付く接尾辞から。 現代中国語の「的」に相当し, 体言を修飾する。 現代中国語の「地」に相当して, 副詞を作ることもある。 語録などの禅語として移入された〕「…の」「…のような」「…の程度の」の意を表す。 また, 被修飾の体言を省略して用いられることもある。「人間社会に於て目撃し得ざる~の伎倆で/吾輩は猫である(漱石)」「打破漆桶~/正法眼蔵」
(2)〔数〕(ア)「底辺」「底面」の略。 (イ)a を y 乗したら x になるという時の a。 すなわち y=logax における a。→ 対数VIIてい【弟】(1)おとうと。⇔ 兄「兄たりがたく~たりがたし」(2)師について教えを受ける人。VIII「師は若く, ~は幼く/思出の記(蘆花)」
てい【悌】兄や年長者によく従うこと。 また, 兄弟の仲が良いこと。IX「兄は~に弟は敬し/仮名草子・浮世物語」
てい【氐】(1)二十八宿の一。 東方の星宿。 氐宿。 ともぼし。(2)紀元前二~紀元後六世紀に中国の北西部を中心に活動したチベット系民族。 五胡の一。 五胡十六国時代に苻(フ)氏が前秦を, 呂氏が後涼を建国した。Xてい【艇】小舟。 はしけ。 ボート。XI「湖に~を浮かべる」
てい【貞】(1)節操を守り貫くこと。(2)女性が操(ミサオ)を守ること。 貞節。XIIてい【邸】人名の下に付けて, やや敬意をこめて, その人の家をいう。XIII「前田~」「中山氏~」
てい【鄭】中国, 春秋時代の諸侯国の一((前806-前375))。 周の宣王の弟, 桓公友を祖とする姫(キ)姓の国。 子産が宰相のとき, 国力は充実したが, その死後衰え, 戦国時代の初めに韓に滅ぼされた。XIVてい【鼎】古代中国の煮炊き用の器の一。 一般に円形で三足, また長方形で四足, 両耳があり, 殷周時代の青銅製の祭器が有名。 伝説に夏の禹(ウ)王が九鼎をつくり王位継承の宝器としたという。→ かなえ
Japanese explanatory dictionaries. 2013.